お釈迦様の言葉に「もし、煩悩・業苦を滅し去ろうと欲するなら、ムクロジの実、百八個を貫き通して輪を作り、それを常に持って行住坐臥に渡って一心に佛法僧三宝の名を唱えてムクロジの実を一つ繰り、また唱えて実を一つ繰るということを繰り返しなさい」と。
お釈迦様は手ずからムクロジ108個を繋いだ数珠をお作りになり
薬師如来様・大日如来様や十大弟子に配ったそうです。
まさにお数珠の創始者だったんです。
ムクロジは漢字で〔無患子〕と書きます。
読んで字のごとく、子どもが患わない病気をしないという意味です。ムクロジ科には、熱帯果物として人気のあるレイシ、ランブータン、リュウガンや日本でも観賞用に植えられるツル植物のフウセンカズラなどが属しています。ムクロジの熟した果実は、果皮がつやのある黄褐色の半透明になり、中に一個の黒い種子を含んでいます。種子はとても堅く、よく弾むので羽子板の羽のおもりとして利用されたり、煎って食べることもできるそうです。果実には多くのサポニンが含まれていますが、このサポニンが生き物にとっては毒にもなり鳥や虫から食べられないようにしているそうです。そのため、ムクロジには農薬なども一切必要なくオーガニックであり、 肥料なども必要ないため、完全なる自然栽培ということになります。木の実は、最初黄緑色ですが11月頃の収穫の後乾燥させると茶色くなります。金を洗う洗剤としても使われており、貴金属をムクロジで磨くとピカピカになるのです。ムクロジは和名を延命皮(えんめいひ)と言い、漢方薬として強壮・止血・消炎などの薬効を重用。ムクロジの別名ソープナッツは、欧米でも究極のエコ洗剤として、オーガニックショップ・ナチュラルショップなどでは人気だとか 。
お正月に女の子の羽子板遊びは、子供が蚊や害虫から伝染病にかからないように、トンボまたの名を縁起の良い勝虫に見立て、悪い虫を退治して守ってもらうことだそうです。
中国漢方の基礎ともいえる「本草綱目」35巻1158頁に
記された無患子記述文章。
今日の世界でもそのよりどころともいえます。